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「桜の花が咲いているぞ」
「いい加減にせい。ここはアラカン山系だぞ。お前、おふくろが恋しくて目が霞んできたな」
「上等兵殿のアレはほんとに桜ですか」
「うん、オレの目に狂いはないぞ」
「見たいな」
「よし、オレが取ってきてやろう」
純情で、母を恋しがり、望郷の念もひとしおだった甲藤は、「本当ですか」目を輝かせていた。
しかし約束は果たされぬままであった。私は彼亡き後でも約束を果たしたかった。桜と思われる木はフォートケアリにセリ取りに行った時チン人が侵入を拒んだ裏山に一本あるだけであった。
(インパール戦記、アラカンの桜より)アラカン山系にも桜と思しきものがあるようです。
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アラカンの桜とは関係ありませんがタイにもこれほど多くの桜が咲いているのは初めて観ました。時期が少々遅かったのでしょうかかなり花は落ちていましたが、まだ見れるものもありました、しかしタイで桜が見れるとは山奥で一人感動しておりました。
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私は専門家ではありませんので果たしてこの花が桜なのかどうなのかはわかりません、地元の人に聞いてみますと間違いなく桜というのです、またこのドイメーサローンでは12月末から1月初頭にかけて毎年桜祭りをやっているということでした、うーん、あまり聞いたことがないのですが、例えあったとしても、近所の人は来るであろうがバンコクからは中々来ないでしょうね、チェンライ市内から山道を70キロほど登っていった所にあります。
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このドイメーサローンは国民党の残党の村と言うことで有名です、残党の村は至るところにあるのですが、特に有名な村である。
村は旧正月に向けて至る所に漢字がずらっと並んでおりますし、小学校や中学校の名前や他には標識などは全て漢字です。
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現在はお茶の生産で有名ですが以前はこの辺りはケシの栽培で有名でした。
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ドイメーサローンまではちゃんとした舗装道路がありますが、ちょっと道を間違えますとこんなところに行ってしまいます。
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私としては普段あまりバイクに乗り慣れていないので、この橋を渡ろうか渡るまいか躊躇していて子供たちに笑われている様子、縦揺れだけならまだしも横揺れもしてるんですよこの橋。
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引き返すととんでもなくロスをするので、結局は渡ったんですけど。
1月12日チェンライを朝出発しまして、国境の町メーサイへ、ビルマ側はタチレクという街でここへは何回も来たことがあるのですが飛行場を利用するのは初めてです。
掘っ立て小屋みたいな空港で、予約もタチレクの国境の旅行社で飛ぶか飛ばないか確認しないと分からないという状況、こんな物を利用する人がいるのだろうかと思いましたが結構利用しているんですね、しかしながらタチレクーマンダレー間のチケットを受け取り、ようやく安心、しかしチケットを眺めてみると11時40分発の飛行機がマンダレー到着は4時になっている、「何で4時間もかかるんだよ」飛行機を見てみると双発のプロペラ機、いや其れにしても時間がかかりすぎる、職員に聞いてみるとへーホー経由だと言う、へーホー?何処かわからないが仕方ない。これに乗るしか無いのである。もうチョット合理的にやる手段があるのではと思いましたが、私が知らないのか、向こうが合理的でないのか、その辺は深く考え無い事にしました。
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次の日にマンダレーからチンドウイン川の支流へ、熊本県護国神社より承りました神酒を持参いたしておりましたので(今回は没収はありませんでしたが)ボートで向こう岸の方へ行き、ボートの上で黙祷の後、君が代と海行かばをIPADで流しながら斉唱
後に神酒を川に流してきました、目頭を熱くしている私をボートの運転手はポカーンと眺めていました。
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この後大急ぎでマンダレーに帰り、帰りの飛行機を予約いたしましてチケットはやはりへーホー経由4時間、もう二度とこの空港は利用しません。
インパール戦記ではアラカンの桜は何かの花と見間違えていると書いてありましたが、確かにインパール作戦は3月に始まっているので、もしこの地方で桜が咲くとしたらやはり12月もしくは1月なのではという気がします。しかしここタイで桜が咲くのならばアラカンでも勿論咲くでしょうし、インパールでも間違いなく咲くでしょう、アラカンやインパールはここよりずっと寒いのだから、と素人考えなのですが、、、、、、?