2009年11月17日火曜日

しし座流星群、2009年は当たり年


今年もしし座流星群の季節がやってきた。専門家の予測によると、時間と場所にもよるが今回は1時間に30~300個の流星が期待できるという。

 しし座流星群がもっとも多く出現する極大時は、アメリカ東部標準時の11月17日午後4時45分(日本時間18日午前6時45分)で、北アメリカやヨー ロッパでは実質的に観測不可能である。しかしこれらの地域でも街明かりの少ない郊外へ移動すれば、17日午前2~4時に1時間に30~50個の流星を観測 できるはずだ。

 今年一番の観測スポットはアジアであり、夜明け前に極大を迎える。

 NASAの流星体環境室(Meteoroid Environments Office)で室長を務めるビル・クック氏は次のように話す。「コンピューターの処理能力が向上し、1990年代以降は流星群の活発化を予測できるよう になった。今年のしし座流星群は大出現が予想され、極大時には1時間に最大300個の観測を期待できる。仮に最大のピークを逃したとしても、今年は短時間 の極大が予期せず起こる可能性があるので、とにかく夜空を見上げてみることをお勧めする」。

 しし座流星群は、午前1~3時に北東の地平線から姿を現す“しし座”に放射点があるためそう呼ばれている。

 ペルセウス座流星群やオリオン座流星群と同様、この流星群も彗星の軌道に乗って太陽系を周回している“ちり”の帯(ダストトレイル)の中を地球が通過することで発生する。

 具体的な発生メカニズムはこうだ。彗星は主にちりと氷で構成されているが、太陽に接近すると一部の氷が溶けて砂粒大のちりが放出される。しかしこういっ た粒子の大きなちりはそれほど拡散せず、彗星の軌道上を流れるダストトレイルを形成するのである。太陽を公転する地球が年に1回ダストトレイルに差し掛か ると、ちりが地球の上層大気と衝突して発光し、地上からは流星として見える。

 しし座流星群は気まぐれで流星の出現数が安定しない。たいていは1時間に15個程度と小規模であるのに、年よっては1時間に1000個を超える壮大な“流星嵐”が展開される。

 その理由としては、流星群を作り出すちりが均一に拡散していないことが挙げられる。母彗星であるテンペル・タットル彗星は33年周期で太陽に接近し、そのたびに新たな流星の種をまき散らしている。

 アメリカのシカゴにあるアドラープラネタリウムの天文学者ゲザ・ギュク氏は次のように解説する。「地球はまれにそのような非常に新しいダストトレイルに 飛び込むことがあり、その際に流星嵐は発生する。例えば1833年のしし座流星群では、1時間に10万個もの流星が出現した。1秒当たり約30個という驚 異的な数である」。

 今年は流星嵐こそ起きないが、それでも大規模な出現を期待できると専門家は予測する。1467年と1533年のダストトレイルで構成された大規模なちりの雲(直径10万キロ)と接近するからだ。

 NASAのクック氏は、観測者のために次のようなアドバイスをくれた。「しし座流星群はほかの流星群と同様、高価な光学望遠鏡がなくても観測できる。むしろ何も使わない方が、視野が広くなって都合が良い。温かいココアや毛布を用意し、仰向けになって夜空を見上げよう」。

Andrew Fazekas for National Geographic News

台湾
火曜夜から水曜明け方まで東の空に、しし座流星群
中央気象局の発表によると、あす17日の晩から18日の明け方5時頃まで、東の空にし
し座流星群を観測できる確率が高い。しし座流星群は1998年から2001年の4年間、全
世界での観測が話題となった流星群。北部と東部では当日降水確率が高いが、中南部
では観測できる確率が高い。また月の光もないため、観測に適しているという。専門
家によると一時間に100個以上の流星が観測できるといわれており、台湾では山に
登って観測する天文愛好家ツアーも出ている。

しし座流星群、タイでは11月中旬がピーク
 タイ国立天文研究所によると、今年タイでしし座流星群が最大となるのは11月18日午前0時ごろで、晴天であれば、100個以上の流星が裸眼で観測できるという。

 同研究所では、「山や海岸など、街の灯りから離れたところのほうがよくみえる。7×10双眼鏡を使えば、さらに多くの流星を楽しむことができる」とアドバイスしている。

 なお、「プレアデス」など、ほかの星団も同時に観測できるとのことだ。

1 件のコメント:

副長 さんのコメント...

だいぶ眼は良くなりましたが、まだ星は見えません。

お天道様の下を歩くのも眩しいので、暫くは日陰者になります(笑。