2009年12月15日火曜日

宗教教育がテロリズムをなくす

 宗教教育がテロリズムをなくす効果的な手段であると信じられている。ナフダトゥル・ウラマ(NU)のハシム・ムザディ議長は、宗教教育がその効果を収めるには宗教教育に対する政府の強化が必要だと述べた。

 ハシム議長によると、この宗教教育の重要性はテロリズムの二つの基本的な問題と関係している。すなわちテロ行為とテロを志向する思想だ。そして、テロ行為には情報・地域活動・刑罰の実施、攻撃といった必要不可欠な活動によって対処しなければならない。

 「これらの措置はインドネシアではすでにとられている」と同議長は、18日(水)ジャカルタで開かれた「国際研究集会:東南アジアの市民社会の間に反テロリズム国連戦略に関する意識を高める」の開会式を行ったあとに語った。

 しかし、これらの措置はテロ行為を支える思想をなくす上では頼りにすることはできない。宗教的性格を持ったテロ行為が起きないことを保証するためには、宗教教育のシステムを援用することが必要だ、とハシム議長は語った。

 同議長によると、その鍵は再統一を目指すイスラーム信仰の諸学問の間のバランスだ。「要は、正規の法律とイスラーム法とのバランスだ。イスラーム法学、伝道、神への祈り、そして基本的人権に対する尊重、この4者の間の融合だ」と彼は語った。

 この4者は一体化してひとつのユニットになる必要がある。同議長は、この一体化が宗教生活の中で成功すれば穏健さが生まれるだろうと語り、更に、このような教育制度はNUが既に各イスラーム寄宿塾で行っていることだと付け加えた。

 その証拠に、NUが持っているインドネシアの11,000以上のイスラーム寄宿塾でテロリズムに巻き込まれているところはない。同議長によると、穏健な思想が形成されたあと、この穏健な思想に対する強化が、国の保護を含めて必要だ。残念なことに、現在に至るまでの政府の支援はまだ最小限にとどまっている、と同議長は語る。また、イスラーム寄宿塾は総選挙の実施が近づいたときのみちやほやされるだけで、選挙が終わったあとにイスラーム寄宿塾に対する明確な強化策が出てくることはない、と説明した。

 同議長はまた、テロリズムの思想に自由主義あるいは過激主義で対処できると信じたことはないと語った。自由主義はイスラーム教を損なうとの心配から、かえって人々を反抗させてしまう。

 一方、原理主義に端を発する過激主義は結局テロ行為を生む。そのため、穏健な思想に対する強化措置があるべきだ、と同議長は語る。「このような条件がインドネシアには必要とされている」と彼は述べた。

 そのため[宗教教育に関して政府から]協力を呼びかけられるのはNUだけではないと同議長は明らかにした。とはいえ、最も重要なことは、この穏健な思想が国家の制度でいかに強化されるかだ。もっとも、彼は、テロリズムは常に宗教的性格を持つと世間で言われていることには反論している。

 同議長はこの発言はすべてが正しいわけではないと明言した。宗教化された多くの非宗教的要素あるいは信者を衝突させようとする宗教的要素もある。そのため、この衝突は宗教的衝突あるいは紛争と見られる。従って、穏健な宗教教育とグローバルな政策とを一体化させることが必要だ。

世界的な試み
 ワシントンの反テロリスト世界協力センターの共同理事アリステア・ミリエアー氏によると、テロリズムと戦う戦略に関するこの研究集会開催の趣旨は、国連総会で合意されたことに沿っている。

 従って、テロリズムと戦うことは東南アジアの国々も含めたほとんど全ての国の合意だ、とミリエアー氏は述べ、この国際研究集会には東南アWアから90の市民社会組織が参加したと付言した。

0 件のコメント: