2009年8月12日水曜日

台湾の台風被害、死者・行方不明100人超

斎藤代表が馬総統と日本の国会議員団の会見に同席
日本交流協会台北事務所の斎藤正樹代表は11日、馬英九総統と玉沢徳一郎・前衆議院議員、山本順三氏ら参議院議員4人との会見に同席した。斎藤代表は5月の「台湾の地位未定」発言以来、馬総統との面会や公式行事での同席を事実上拒否されてきていたが、ようやく日台交流の表舞台に復帰した。なお交流協会は同日、台風8号の被害に対して緊急支援として1000万円の緊急支援を行うことを発表した。

土石流直撃「村は跡形もなくなった」 台風被害の台湾

台風8号の大雨による土石流にのみ込まれ、約600人の住民の多くが安否不明になった台湾高雄県甲仙郷小林村で11日、軍の捜索活動が本格化した。 軍によると、同日夜までに、ほぼ半数が救出されたり生存が確認されたりしたが、助け出された人は「村が跡形もなくなった」と当時を振り返り、逃げ遅れた人 たちを気遣った。
 同村は道路が洪水で寸断され、救出活動は病院のある同県旗山との間を軍のヘリがピストン輸送する形で行った。同日までに救出されたのは100人ほ ど。さらに同日夜、軍当局が新たに約200人の生存を現地で確認したという。一方、救出された人は大勢の住民が生き埋めになった可能性が大きいと証言す る。

 土石流は高雄県一帯で1日に千ミリの豪雨が降った9日早朝、村を襲った。11日朝に救出された黄金宝さん(56)は「家が浸水したので危ないと思 い、近所の人々を呼んで一緒に高い場所に逃げた。30分ほど後に爆発のような音が聞こえ、あっと言う間に村が跡形もなくなった」と語った。

 黄さんら約40人は携帯電話で救援を求め、雨水を飲みながら2日間、耐えしのいだ。救出後、子供数人が病院に運ばれた。残りの住民の安否を聞くと、「早朝だからみな寝ていた。たぶん駄目だ。義母も弟の家族も逃げ遅れた」と涙を流した。
 林麗玉さん(49)も高台に上って難を逃れた。「土石流は村の裏の山の方から来た。小学校も家も全部、川のように平らになった。逃げた後はヘリに向かって木を燃やし、服を振って助けを呼んだが、なかなか見つけてくれなかった」と語った。
 消防当局によると、11日夜の時点で、台湾全土の死者は62人、行方不明者は57人。軍の救援ヘリが同日、墜落し、操縦士ら3人が死亡した。

大雨を十分に予測できなかった気象予報に対し、世論の批判も強まっている。台風の中心は今回、台湾北部を通過したため、中央気象局は南部に雨への強い警戒情報を出さなかった。馬英九(マー・イン・チウ)総統は9日に「気象予報に改善の余地がある」と批判したが、辛在勤局長は10日、「災害を気象予報のせいにされても、我々はそこまで責任を負えない」と異例の反論をするなど、足並みの乱れも目立っている。

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