2009年8月28日金曜日

台湾、台風8号による死者は463人

ダライ・ラマ法王、台風8号が直撃した台湾の被災地を訪問へ 中国は反発か

チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王が8月末に、台風8号が直撃した台湾の被災地を訪問する見通しとなった。中国は、この訪問に反発するとみられ、今後の中台関係に影響する可能性もある。
今回、ダライ・ラマ法王の訪問を要請したのは、台風8号で大きな被害が出た台湾南部の高雄県など、7つの自治体で、これらの首長はいずれも野党・民進党出身。
ダライ・ラマ法王は2008年、台湾訪問を希望していたが、対中関係に配慮した馬英九政権がこれを拒否していた。
この台風では、対応が遅れたなどとして、強い非難にさらされている馬政権だが、今回は「被災者の慰問が目的だ」として、ビザの発給を認める考えを示している。

ダライ・ラマ法王側も訪問には前向きで、ビザが発給されれば、8月31日から9月4日まで台湾南部に


台湾外交部長も辞意表明、台風被害対応で
 台湾の欧鴻錬外交部長(外相)は27日、台風8号の大雨被害で、外交部(外務省)が各国からの援助を断れと在外公館に指示していた問題で「すべての責任を負う」と述べ、引責辞任する考えを表明した。馬英九総統にも口頭で辞意を伝えたという。
 台湾では大雨被害の対応をめぐって馬政権への批判が収まらず、国防部長(国防相)らが辞意を表明。馬政権は9月上旬までに大規模な内閣改造を行う方針。
 報道によると、台湾南部を中心に8日から広がった大雨被害をめぐり、外交部には10日ごろから救助の申し入れが各国から寄せられていた。しかし同部は11日、申し入れを断るよう在外公館に文書で指示。理由は明らかになっていないが、馬政権への批判が一気に高まるきっかけとなった。(共同)

台風8号による死者は463人

台風8号災害の被害および救援状況について(8月26日午後)
 行政院災害防救委員会中央災害対策センターは、台風8号(モーラコット)の台湾直撃による被害および救援状況の8月26日17時00分までに確認された結果について発表した。
 このなかの内政部消防署の統計によると、死者463人、遺体の一部60体(人)、行方不明者190人、負傷者46人だった。また、民政司(局)および社会司の統計によると、避難している被災者は2万4,950人で、56カ所の避難所が開設され、5,985人が収容されている。
 また、行政院国家捜救センターによると、8月26日16時30分までのヘリコプターによる救援状況は、734件で計4,132回出動し、のべ1万4,252人を動員し、46万2,451トンの物資を輸送、2,639人の救援スタッフを運び、9,776人の被災者を救出した。
       死亡者     行方不明者     負傷者
 台北県     0       0       13
 宜蘭県     0       0        4
 南投県     7       9        1
 彰化県     3       0        0
 雲林県     1       0        0
 嘉義県     9       3        2
 台南県    28       0        1
 高雄県   392(60) 146       13
 屏東県    23      24        0
 花蓮県     0       0        1
 台東県     0       8       10
 高雄港     0       0        1
 高雄県内の死亡者の詳細は、甲仙郷321人(小林村318人、大田村1人、西安村1人、東安村1人)、六亀郷39人(竹林集落5人、新発村6人、新開集落26人、六亀村1人、大津村1人)、那瑪夏郷(南沙魯村)20人、阿蓮郷(中路村)1人、茄萣郷(和協村)1人、桃源郷5人(桃源村1人、勤和村4人)、大樹郷1人、梓官郷1人、湖内郷2人、鳳山市(和興里)1人、計392人。
(身元確認済み20人、失踪後死亡届提出281人、死亡届提出85人、死亡届未提出6人)
 発見されたが身元が特定できない遺体の一部60体(人)は死亡者数に含まれていない。
高雄県内の行方不明者:
林園郷(西渓郷)2人、大寮郷1人、甲仙郷(小林村)127人、六亀郷(新開集落)2人、那瑪夏郷(南沙魯村)14人、計146人。
連絡がつかない者:
甲仙郷小林村24人


イスラーム教徒のウイグル族支援を政府に要請
イスラーム社会組織はインドネシア政府に対して、中国のイスラーム教徒であるウイグル族支援のため、国際的な連帯感を強化し、その見解を確立するように要請した。


 中国の新疆ウイグル自治区ウルムチ市のイスラーム教徒であるウイグル族が受けた弾圧は、インドネシアのイスラーム教徒から強い反感と非難を招いている。火曜日に中国大使館前で、ヒズブット・タフリル・インドネシア(訳注1)の数百人の活動家が、ウイグル族に対する弾圧的で差別的な措置を中止するよう要求するデモを行った。

 「中国政府は同自治区の区都ウルムチでイスラーム教徒であるウイグル族に対する虐殺を行ったため、我々はインドネシア政府に対して、中国〔政府〕との提携を中止するように呼びかけた」。南ジャカルタ州のメガ・クニンガン地域の中国大使館の前で行った演説で、ヒズブット・タフリル・インドネシア中央指導部会のファリッド・ワジディ理事長はそのように呼びかけた。

 その前日に、イスラーム教徒フォーラムの会員である数百人のイスラーム教徒が、中国大使館前でデモを行った。ヒズブット・タフリル・インドネシアはインドネシア政府に対して、イスラーム教徒のウイグル族数百人を死亡させた暴動事件に介入するように要請した。「我々はインドネシア政府がウイグル族を支援しないことを非難する。この事件は、明らかに基本的人権の侵害だからだ」とファリッド理事長は述べた。

 デモを行った人々も、数日前の同自治区の暴動での中国政府の暴力的で弾圧的な措置を直ちに中止するよう要求した。ヒズブット・タフリル・インドネシアも中国政府に対して、捕らえられたイスラーム教徒のウイグル人の釈放、負傷者の治療、死亡者に対する補償を要請した。ナフダトゥル・ウラマ(訳注2)理事会とムハマディア(訳注3)中央理事会は、インドネシア政府に対して、中国のイスラーム教徒であるウイグル族支援のため、直ちに国際的な連帯感を強化し、その見解を確立するように要請した。

 「我々の同胞でもある、中国のイスラーム教徒であるウイグル族の被害を解決するためには、政府が関与することが望ましい。世界の人々の連帯感の強化とその見解の確立のため、政府は中国政府や国際社会との外交を展開することも可能だ」とナフダトゥル・ウラマ理事会のリドワン・ルビス理事長は述べた。

 リドワン理事長によれば、インドネシア政府はイスラーム教徒のウイグル族支援のために、ただちに具体的な措置を講ずるべきだという。「もちろん、他の諸国への内政干渉を目的とせずに」ナフダトゥル・ウラマ理事会も、インドネシアのイスラーム教徒やイスラーム社会組織に対して、中国で虐待や暴力的行為を受けているイスラーム教徒のウイグル族に、人的支援を行うように呼びかけた。

 ナフダトゥル・ウラマは、自国でのイスラーム教徒への差別的な政策を改めるよう中国政府に対して要請した。ムハマディア中央理事会のユナハル・イルヤス理事長も、同じような発言を投げかけている。ユナハル理事長によれば、中国政府はイスラーム教徒に対する差別的な政策を終結させるべきだという。

 「中国政府が自国でイスラーム教徒たちに弾圧的で差別的な措置を行わないよう、インドネシア政府は要請し、強く求めるべきだ。政府はその弾圧的な措置を解決するため、国際的な連帯感を強化し、外交を構築するべきだ」とユナハル理事長はきっぱりと述べた。

 アチェ・イスラーム寄宿塾ウラマ協会のトゥンク・ファイサル・アリ秘書役も、こうした状況を憂慮している。スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領が中国政府に対して、そのような暴力的行為を中止するように直ちに要請することを、アチェの宗教学者は期待している。

 「我々は、先進国においてもまだ暴力的行為が存在するなら、それを非常に憂慮する。ユドヨノ大統領が、中国政府に対して、民族に対する暴力的行為を中止するように要請することを、我々は期待する」と同秘書役は述べた。同秘書役によれば、インドネシア政府は[中国では]少数派のイスラーム教徒であるウイグル族に対する暴力的行為について、他の諸国と共に疑問を持つべきだという。

 インドネシア共和国の国民議会第1委員会(訳注4)のテオ・L・サンブアガ委員長も、ウルムチで数百人の人々を死亡させた、イスラーム教徒のウイグル族に対する暴力的な措置を、基本的人権の侵害に満ちた争いによる行為であると非難した。


訳注
1) ヒズブット・タフリル・インドネシア: 国際的なイスラーム政治運動組織であるヒズブット・タフリルのインドネシア支部
2) ナフダトゥル・ウラマ: インドネシアの伝統主義的イスラーム組織
3) ムハマディア: 改革派イスラーム団体
4) 国民議会第1委員会: 海外部門を扱う委員会

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