2010年06月01日付 Iran紙
■ ガザ市民に対する支援船へのシオニスト体制コマンド部隊による前代未聞の襲撃によって、乗組員750名中、20名が殉教、50名が負傷し、80名が身柄を拘束された。
■ アフマディーネジャード大統領は、「ガザ沿岸地域でシオニストたちが起こした、血にまみれた犯罪行為は、人権を振りかざす西洋諸国〔の誠実さ〕を測る試金石となろう」と語った。
■ 国家安全保障最高評議会のジャリーリー書記は、ガザ支援船へのシオニスト体制の攻撃について、同体制がいかに野蛮で無能の極致にあるかを示す出来事だと指摘し、アメリカ、ならびに罪深いシオニスト体制を支持している世界・地域各国は、同体制を支持していることに関して説明する責任がある、と強調した。
〔‥‥〕
【政治部】大統領はガザ市民への人道支援物資を運んでいた支援船をシオニスト体制の軍人らが攻撃したことに触れ、今回の事件は人権の擁護を主張する者たちにとって、〔その真価を試す〕試金石となるだろうとの見方を示した。
アフマディーネジャード博士は昨日開かれた「イランの誉れ高き婦人たちを顕彰する会」において、「これまでの数々の警告・忠告によって、侵略者・抑圧者たちも少しはまもとになるかと思っていた」と述べたうえで、次のように語った。「ガザ市民のために人道支援物資を運んでいた支援船に対して、シオニスト体制の軍人どもが行った攻撃は、人権擁護という自分たちの主張について、ヨーロッパ人・西洋人がどれだけ誠実なのか、どれだけ人権に敬意を払っているのかを測る試金石となろう」。
大統領は西洋諸国、及びシオニスト体制の支援者らに対して、イスラエルから距離を置くよう勧告し、「この体制は崩壊しつつある。抑圧主義体制が崩壊すれば、善き者たちによる世界政府の樹立が極めて間近になるであろうことに、私は何の疑いも抱いていない」と付け加えた。
大統領はさらにシオニストたちの支援者らに向けて、「もし、来る世界に居場所を確保したいのなら、シオニスト体制への支援から手を引くべきだ。さもなくば、〔世界の〕諸国民はこの非合法的な体制を、その支援者もろとも打倒することになるだろう」と語った。
〔後略〕
(翻訳者:米川千帆)
ハーメネイー最高指導者「ガザの封鎖を打ち破れ、イスラエルの指導者どもを裁判にかけろ」
2010年06月02日付 Iran紙
イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は昨日、メッセージを発表し、その中で、シオニスト体制による人道支援船への残虐かつ罪深き襲撃は、世界中の人々の民意や人間的良心への攻撃に他ならないと断じ、「今日、パレスチナはもはやアラブやイスラームだけの問題ではなく、現代世界の人権問題そのものである。この残忍で傲慢な体制を支持している者たち、特にアメリカやイギリス、そしてフランスは〔今回の問題に関して〕真摯に答える責任がある」と強調した。
イスラーム革命最高指導者のメッセージは以下の通りである。
慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において
シオニスト体制が行った人道支援船への残虐かつ罪深き襲撃は、かの邪悪な国家が70年間にわたる自らの恥ずべき歴史のなかで積み重ねてきた、一連の大犯罪行為の新たな一例に他ならない。これは、〔イスラエルによる〕傲慢かつ冷酷な振る舞いのほんの一例にすぎないのであり、この地域、特に虐げられしパレスチナの地のイスラーム教徒は過去数十年にもわたって、これと闘かってきたのである。
今回のこの船団は、イスラーム世界やアラブ世界ではなく、世界中の人々の民意や人間的良心を代表していた。シオニズムとはファシズムの新たな、そしてより暴力的な現れであるということを、今回の罪深き襲撃はすべての人々に対して証明したはずだ。そしてこの〔シオニズムという名の新たな〕ファシズムは、自由や人権を主張する国々、なかでも特にアメリカ合衆国から支援され、支持を受けているのである。
この生まれながらの犯罪者どもを政治的にも、メディア上でも、軍事的にも、また経済的にも支援し、彼らが演じてきた数々の惨劇をウラでつねに支えてきたアメリカやイギリス、フランスその他のヨーロッパ諸国は、〔今回の悲劇に対する〕説明責任を真摯に果たすべきである。
世界中の目覚めし良心は、次のことを真剣に考えるべき時期に来ている。中東という敏感な地域において、人類はいかに危険な現象に直面しているのか。なんと残忍で傲慢、かつ狂気じみた体制が今日、パレスチナという奪われし国と、悲しみに打ちひしがれた虐げられしこの国の人民に対して、暴虐の限りを尽くしていることか。ガザの150万の老若男女が食料や医薬品、医療の面で3年間にわたって封鎖されていることに、どんな意味があるというのか。そして、ガザや〔ヨルダン川〕西岸地区で、若者たちに毎日のように繰り返される殺戮や監禁、拷問を、どのようにしたら理解できるというのであろうか。
〔後略〕
(翻訳者:留置彩加)
ユドヨノ大統領:今こそイスラームが立ち上がるべき時〔世界イスラーム経済フォーラム〕
【レプブリカ紙】
今こそイスラーム世界が立ち上がり、再び世界経済をリードする時だ。水曜日(5月19日)にマレーシアのクアラルンプールで、第6回世界イスラーム経済フォーラム(以下 WIEF)のオープニングにおいて、スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領はそのように呼びかけた。
ユドヨノ大統領はスピーチの中で、イスラーム世界が企業家精神を持って立ち上がり、急速な経済成長を成し遂げられるように想起した。大統領によれば、預言者ムハンマドが示唆している商業的精神などのイスラーム特有の特性に、企業家精神は合致しているという。
現在イスラーム銀行とイスラーム金融システムがさらに発展し、西洋諸国経済で受け入れられるようになったため、イスラーム世界は世界経済体制において〔発展する〕チャンスがある、とユドヨノ大統領は見なしている。また大統領によれば、イスラーム世界の各国とも独特のユニークさを持っており、相互にメリットのある提携を結んでいるという。大統領は「オイル・マネー」国と呼ばれている中東国を例に挙げた。
この機会にユドヨノ大統領はインドネシア政府と提携し、インドネシアの様々な事業領域を開拓するために、イスラーム国と非イスラーム国グループから企業家を招いた。2億人以上の人口を持つインドネシアには大きな市場があるという。
その開会式では国や政府のトップ7名により順番にスピーチが行われた。すなわち、ブルネイ王国のハッサナル・ボルキア国王、セネガルのアブドゥライ・ワッド大統領、ユドヨノ大統領、コソボのファトミル・セイディウ大統領、モルジブのモハメッド・ナシード大統領、バングラデシュのシェイク・ハシナ首相、イランのムハンマド・レザ・ラヒミ副大統領だ。
環境にやさしい
ビジネス活動でイスラーム世界と非イスラーム世界の橋渡しを願うというユニークさもあり、この会議が世界的規模に広がることを、WIEF 財団のムサ・ヒタム議長は期待する。一方、マレーシアのナジブ・アブドゥル・ラザク首相はクリーン・エネルギー開発銀行の設立を提案した。その銀行はイスラーム諸国会議機構(OKI)のメンバーである国々で、環境にやさしい産業発展の強化を目指している。
「多くの国で政府によってクリーン・エネルギーの利用がなされている。エネルギー供給の安定性は石油がとれない国々にとって最優先となっており、そのため代替エネルギー源開発の可能性は高い」と同首相は述べた。
同首相は次のように述べた。エネルギーの安定性は重要な問題となっており、そのため「緑の課題」も国の政策作成に組み込まれるべきだ。現在 WIEF のメンバー国がその件の対応に非常に遅れをとっていることを、同首相は否定しない。「条件を強調することで代替エネルギー源を開発し、発生させ、さらに環境破壊を防ぐために、我々はもっと多くのことを行うべきだ」
同首相は付け加えた。政府間の協力は、開発要綱を作成し、バイオ燃料などの再生可能なエネルギー選択プログラムを開始するために必要だ。その他に、強力で、公正で、継続性のある経済を作り出すために行われるべきことは、特に教育や訓練を通じて人材の開発を強化することだ。
「教育に投資することなしに、様々な分野で指導国となれるイスラーム国家はない」と同首相は述べた。
同首相は教育のインフラ開発や教員訓練および学問的な研究支援のために、特別開発資金を設けることも提案した。「適切な体制、運営、利用により、その資金はイスラーム世界と非イスラーム世界間にある、教育のギャップを軽減するのに一役買うことができる」
同首相はさらに述べた。現在OKIのメンバーである国々もメンバー諸国とイスラーム世界で、ついには素晴らしい変遷を成し遂げることができる改革を開始するべきだ。
WIEF の場では、WIEF 若者指導者ネットワーク(WYN)も見られた。現在イスラーム諸国では、30歳以下が〔全〕人口のおよそ65%であり、若者が人口の大部分を占めていることからも、WYN は重要な会議の一つとなっている。今後数10年間で、この若者はイスラーム・コミュニティーにおける指導者となるだろう。
(翻訳者:川名桂子)
原題:SBY: Saatnya Islam Bangkit
http://koran.republika.co.id/koran/17/111455/SBY_Saatnya_Islam_Bangkit
ミャンマー軍事政権、核兵器開発 北朝鮮の協力で=亡命幹部が証言
ノルウェーを拠点とする反軍事政権の放送局「ビルマ民主の声」は4日、ミャンマー軍事政権が北朝鮮の協力で核兵器の開発に着手した疑いを指摘する報告書を公開した。
同報告書には、核兵器の開発に関わったミャンマーの元陸軍幹部サイ・テイン・ウィン(Sai Thein Win)が亡命した際に持ち出した数千名の写真や書類を証拠として挙げている。同軍事政権がウランの実験を行っていることや、ウランの濃縮施設や、原子炉を建設する専門設備を保有していることを、これらの証拠は示した。
報告書は、「核兵器の完成にはまだほど遠い」としながら、軍事政権は北朝鮮の協力の下で核兵器と長距離ミサイルを開発していると指摘した。
軍事政権の国防エンジニアであるサイ・テイン・ウィンは、ロシアでミサイル開発の訓練を受け、ミャンマー北部のマンダレーの秘密原子力施設にも出入りし、核兵器の開発に参加していたという。同幹部は、「彼ら(軍事政権)は核ミサイルの開発成功を目指している。それは彼らの主な目標である」と証言した。
報告書を閲覧した国際原子力機関(IAEA)の元査察官で、米国原子力専門家ロバート・ケリー氏は、同軍事政権が核兵器開発に利用するウランの採掘を行っている可能性を指摘した。
さらに報告書は、北朝鮮は本件に関して同軍事政権に協力しているとも報じ、地下施設の建設や、射程3千キロのミサイルの開発にかかわっているという。
一方、ミャンマー軍事政権は一貫して、この事実を否認している。
昨年6月、国連安保理は北朝鮮に武器禁輸の制裁措置を発動したが、実行状況を監視する国連専門家は先月、北朝鮮はイラン、シリア、ミャンマーに原子力とミサイル技術を極秘に提供していると発言した。
アルジャジーラテレビ局も同報告書の内容を報道し、国際社会の関心を集めている。それにより、米国上院外交委員会の東アジア太平洋問題小委員会のジム・ウェブ小委員長は、予定していたミャンマー訪問を急遽取りやめ、事実関係が明らかになるまで訪問を先送りすると発表した。
(翻訳編集・叶子)
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