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中国の石油探査妨害再び、越政府猛反発「今が行動するときだ」
6月9日朝6時頃、中国の漁業監視船2隻の援護を受けた中国漁船1隻が、ベトナム石油・ガスグループが借りている探査船Viking 2号のケーブルに突進した。
9日午後の記者会見で外務省Nguyen Phuong Nga報道官はこの事実を発表し、外務省担当者がすでに中国大使館代表者に面会し抗議、ベトナムの立場を明確にしたことを明らかにした。
Nga氏によるとViking 2号のベトナムの大陸棚136-03鉱区(北緯6度47.5分、東経109度17.5分)での活動中、漁業監視船漁政311号と303号の援護を受けた62226という番号のついた中国漁船が、Viking 2号の正面を横切り、その後針路を変え加速した。ベトナム側は警告信号を出したものの、漁船は意図的にViking 2号の探査ケーブルに突っ込み、ケーブルは62226号のケーブル切断設備に巻き込まれ、Viking 2号は通常活動ができなくなった。その後漁政311号と303号、およびその他漁船が62226号の救助に入った。
Nga氏はViking 2号が活動していた地域は200海里内で、完全にベトナムの主権下にある場所で、中国船の行動は完全に意図的、かつ周到に準備されたものであり、重大な主権侵害だとした上で、「中国の組織立った行動は、紛争のない地域を紛争地域とし、『九段線』要求を実現しようとしたものだ。これはベトナムが受け入れられるものではない」とNga氏は強調した。
Binh Minh 2号は事件後、探査を円滑に行うため護衛船を8隻に増強しているが、Viking 2号についてNga氏は、「何隻か同様の任務についていた」と答えた。また、今後中国が同じような行動を繰り返した場合の対策については、「ベトナムの主権を侵害する行為の即時中止と再発防止を望んでいる。また、南シナ海の平和と安定の維持という国際会議で宣言した約束を履行することを求める。ベトナムは関係当局が連携し、主権に属する地域でのベトナムの経済活動を保障する」と述べている。
■出光興産の探査でも妨害
Viking 2号は、フランスCGG Veritasとベトナム石油・ガスサービス総公社(PTSC)の合弁が借りているノルウェー船籍の3D地震探査船で、今回の探査は、カナダTalisman社の要請を受けたもの。PTSC G&Sの幹部によると、9日12時に、中国の漁船スクリューにケーブルが絡んだ事故は回復した。
なおViking 2号は5月29日と31日、出光興産向けの探査をベトナム南部の大陸棚05-1D鉱区で行っている際にも、中国船の妨害行為を受けている。
■「ベトナムが仕掛けた」「ハノイは直ちに主権侵害停止せよ」中国外務報道官
中国の漁船62226号、および漁政311、303号が探査船Viking 2号のケーブルを破損させ、ベトナムの大陸棚に侵入したことに対するベトナム外務省の反応を受け9日、中国外務省の洪磊報道官は、中国船が、ベトナムの船に追いかけられたと述べた。また、Truong Sa群島(スプラトリー諸島)Tu Chinh岸において、違法な石油探査と中国船を追い回す行為をしたのはベトナムであり、中国の海の権益、主権を重大に侵害したとしている。
中国外務省のウェブサイト上での発表で洪磊氏はまた、北京はハノイに対し、中国の主権を侵害する行為を直ちにやめ、中国漁師の財産と生命の安全に脅威となる行動を再発させず、南シナ海問題を複雑化させる行動を起こさないよう求めるとしている。
■「中国の行動に強く抗議」ASEAN会議で外務大臣補佐官
6月10日、ASEAN、ASEAN+3、東アジアサミット、ASEAN地域フォーラム(ARF)高級実務者会合の席で、ベトナムのPham Quang Vinh外務大臣補佐官は、5月26日のBinh Minh 2号、6月9日のViking 2号の事件に触れ、この行動に強く反対すると述べた。
この事件は南シナ海情勢を不安定にさせ、紛争のまったくない地域を紛争地域化するものであり、関係諸国だけでなく、あらゆる国、地域全体の平和、安定、安全保障、航海の安全を懸念させるものだとした。またベトナムは、国際法と国家の主権を尊重するとの原則を貫き、事件再発がないよう強く求め、同時に対話を続け、平和的な手段で紛争を解決する方針だと述べた。
■主権侵害で中国船を拿捕せよ――Tran Cong Truc元政府国境委員長
南シナ海情勢の新たな変化に対するベトナムの次なる行動について、Tran Cong Truc元政府国境委員長は次のように述べている。
「引き続き、国際社会に事件の本質をつまびらかにし、主権を主張していくと同時に、ベトナムは外交、法的闘争においてより強く、具体的な措置を採るべき時が来た。主権を宣言し、抗議書を出し、国連に書簡を提出するとともに、現場での具体的な行動が必要だ。中国船が引き続き違反した場合、ベトナム当局の船舶には主権侵害でこれを検査、統制する権利がある。これが、現在非常に求められている行動だ。中国の行為が明らかで、危険であれば、国際法に則って処分すべく拿捕するなどすべきだ」。
●祖国防衛にすべてをささげる覚悟――Nguyen Minh Triet国家主席
私たちは、祖国の海と島々が常に平和で友好的であり、安定していることを望んでいるが、自らの力を尽くし、わが国の海、島々を守る決意がある。今日の祖国を得るために、何世代の血の犠牲があったか。だからこそ私たちは、祖国を防衛し、海と島の主権を守るためにすべてをささげる覚悟がある。
ベトナムはそれだけの覚悟があるのだと思います。中国と戦争をやる覚悟が有るのだと思います。
先日ベトナムの学生が言いました、たとえ政府がいかなる国とも戦争せず、各国と友好関係を維持するように努力する政策をたてた所で、その政策がいき詰まれば、祖国防衛の為に戦う体制をとるべきです。
その結果勝利と敗北です。敗北しても戦ったという名誉が残ります。戦ったという名誉が未来に残せるのです。又われわれが勝利すれば偉大な名誉を手にします。
私は唖然としましたこんな学生に会ったのは初めてでした嬉しくてたまりませんでした、ベトナムには覚悟があるのです。
日本政府にもこれ位の覚悟が欲しい所です。
ベトナムの国防政策は平和と自衛、シャングリラ対話国防相演説
6月5日、第10回アジア安全保障会議(シャングリラ対話/シンガポール)でPhung Quang Thanh国防大臣は、「新しい海洋安全保障の試練への対応」と題した演説を行った。この内容を紹介する。
21世紀の海に言及すると、私たちにはみな、海を持つ国も、海の無い国も、主権の宣言がなされている地域においても、主権の宣言がなされていない地域においても、世界の発展、将来を担う、生死をわける空間であるとの共通認識があります。
海洋空間において近年特徴的なのは、各国の目前の、また長期的な利益のために、あらゆる分野での各国のかかわりが強まっているということであり、その利益は生死を分ける、戦略的な性質を持つものであります。
現在、協力関係は強く発展し、各国、地域、そして世界中に大きな利益をもたらしています。一方で、いくつかの相違、矛盾、衝突もあります。私たちはそれを避けるのではなく、その協力と相違こそが、海洋開発・開拓における問題の両面という客観的な事実であることを認めなければなりません。
問題は、私たちが世界の海の世界性、国際性を十分に認識しなければならないということであり、個別の試練というものは何もなく、それは直接的にしろ間接的にしろ、全ての国々にとって共通の試練であり、協力を強化し、相違や矛盾、衝突を減らしていくための善意ある広い協力が求められるものだということです。
では私たちは、状況を日々改善し、海洋環境、資源を効果的に活用し、各国、地域また世界中に利益をもたらすために、幅広い視野、多角的な立場から、何をすべきでしょうか。
まず私たちには、価値、新しい特徴、利益、そして全ての国が遭遇している試練に対する正しい共通認識が必要です。伝統的な安全保障の問題に加え、非伝統的な安全保障の問題が多数現れることは、世界の発展過程で生まれる避けられない問題であり、それだけに、ともに解決すべく、二国間、多国間を含めたより広い協力が求められるものであります。
次に、私たちには、発展協力の条件を整え、地域、また各国の共通の利益に害を与える行動を阻止し、各国の領土主権を尊重し、主権や領土紛争などの問題を良好に解決すべく、海上活動における法的根拠の強化が必要です。
まずは、1982年国連海洋法条約の遵守とその十分な履行が必要になります。東南アジア地域においては、南シナ海における当事者間の行動宣言(DOC)を十分に実現し、ASEANと中国は、南シナ海における行動規範(COC)を構築していかなければなりません。
また、既存メカニズムの有効性を高め、ロシアと米国を加えた東アジアサミット(EAS)、拡大ASEAN国防相会議(ADMM+)といった新しい安全保障構造が現れていることは、ASEANと地域内の共通の利益を持つパートナー国との協力の必要性、また展望があることを示すものであり、ASEANが統一、団結し、中心的役割を発揮し、またパートナー諸国の利益と責任が調和されれば、それは美しい将来をもたらすでしょう。
第三に、私たちは相互に理解、尊重し、ともに発展していくために、二国間また多国間を含めた、よりいっそうの海洋開発協力が必要です。このなかで、国防面での協力が特に重要な意味を持ち、まずは各国の軍隊間で信頼を構築し、高めていくために、絶対に武力を行使せず、平和、安定を維持し、労働、経済活動、航海、海上の平和を守らなければなりません。
マラッカ海域は安定するようになり、地域の成長に貢献しています。私たちは、マレーシア、インドネシア、シンガポールといった直接関連する国の軍隊間の協力、また地域内外の国々の支援を高く評価しています。同様に、ベトナムと中国、タイ、カンボジアの共同巡視やホットライン開設といった海軍の協力強化、また今後はマレーシアとインドネシアとの共同巡視も進めますが、これも南シナ海の安全保障、治安維持強化に貢献するものと思います。
第四に、海上で発生する問題ついて私たちは、抑制し、冷静に、戦略的な視野、また現代の性質的な重要認識に立って対応するべきで、そのなかで特に国際法を公開、明白に遵守する必要があります。協力において、私たちは主権、国家民族の利益を守り、地域の平和、安定、発展を維持することが必要で、これが、あらゆる国々の利益関係において共通の価値であり、また発展のために健全、安定した環境においてあらゆる国にとって大きな価値となるものです。
南シナ海情勢は全体的に安定していますが、時おり衝突が発生し、沿岸諸国を懸念させています。最近では2011年5月26日、ベトナムの探査船Binh Minh 2号が、ベトナムの排他的経済水域内で通常の石油・ガス探査を行っているときに、ケーブルを切断されることがあり、南シナ海における平和、安定の維持、また地域、世界を懸念させることとなりました。
ベトナムは、その事件を国際法に則り、領土主権を守り、南シナ海の平和、安定を維持し、近隣諸国との友好関係を維持するとの原則で、平和的な手段により解決しようとしました。私たちは、同様の事件の再発を望んでおりません。
海洋国のひとつとして、数多くの戦争を経験し私たちは、国家の建設、発展のための平和と安定の価値をよく知っています。そのため、ベトナムの国防政策は平和と自衛であり、ベトナムは常に、地域内外の国々の軍隊との協力関係を広げ、海上の安全保障を含む、安全保障に対する共通の脅威に対応すべく、相互理解、尊重、活動での協力を強化していく方針です。
ベトナムは、自国の国家安全保障が地域、世界の安全保障に密接しているものと見ており、友であり、国際社会の信頼たるパートナーであり、平和と安定、発展のために、近隣諸国、地域諸国、そして世界との信頼を深め、友好、協力関係を発展させていきたい所存であります。
■潜水艦購入は自衛のため
ベトナムの潜水艦購入に関連しThanh大臣は、ベトナムはロシアとキロ型潜水艦6隻の購入契約を交わしており、潜水艦はベトナム海域内でのみ活動するとし、「国内メディアの取材でも答えているように、この私たちの通常の行為は非常に公開、明白だ」と話している。
産経ニュース
緊迫深める南シナ ベトナムが実弾演習
ベトナム海軍は13日、中部クアンナム省沖合の南シナ海で、実弾演習を実施した。ベトナムの石油探査活動を、中国側が実力行使により妨害していることへの事実上の対抗措置。中国の新たな海底油田掘削機を設置する動きに抗議しているフィリピンも、28日から米海軍との共同軍事演習を実施する予定で、南シナ海は緊迫の度を深めている。
実弾演習は、クアンナム省ホイアンの沖合約40キロのホンオン島周辺で、午前と夜の2回にわたり実施された。現場は南沙(スプラトリー)諸島から1千キロ、西沙(パラセル)諸島から250キロ離れている。演習の規模や想定などは不明。
これに先立ち、首都ハノイとホーチミン市では12日、それぞれ中国大使館、総領事館前で対中抗議デモが繰り広げられ、市民数百人が「中国の侵略」を非難した。デモは5日に続き2週間連続で、政府容認の「管制デモ」とみられる。
ベトナムの排他的経済水域(EEZ)内では、中国船が先月26日、ベトナム国営石油ガス公社の探査船の調査ケーブルを切断し、今月9日にもケーブルに突っ込むなど、目に余る妨害活動を続けている。
ベトナムはここにきて、厳しい対中批判を展開するばかりか、実弾演習にも踏み切り対決姿勢を強めている。これは、現場が自国のEEZ内であり、しかも漁船ではなく、政府保有の探査船が、活動中に妨害されたという事態の性質によるところが、極めて大きいとみられる。
両国には古代から、中国の侵攻と支配、それに対する抵抗が繰り返されてきた歴史がある。中国は、インドシナ戦争(第一次)でホー・チ・ミンのベトナム民主共和国を、ベトナム戦争では北ベトナムを支援したものの、カンボジア紛争ではポル・ポト政権の後ろ盾となり、中越戦争(1979年)で一戦をまみえた。
また、西沙諸島では74年、中国軍が南ベトナム軍の艦船1隻を撃沈し、88年には南沙諸島で軍事衝突が起こっている。両国は1400キロにおよぶ陸上と、トンキン湾の国境線引きでは2000年に合意しており、南沙、西沙両諸島の領有権問題が、伝統的な安全保障問題として残された格好だ。
中国と領有権を争う東南アジア諸国連合(ASEAN)の関係国には、国際法を無視した中国の強引な行動への怒りが高まっており、対抗姿勢を強めていくものとみられる。
米とベトナム来月合同演習 南シナ海で
14日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、ベトナムと米国の海軍が来月、ベトナム中部ダナン沖の南シナ海で合同演習を行うと報じた。ベトナム海軍は南シナ海で実弾演習を行ったばかりで、同海で領有権を争う中国を一層刺激しそうだ。
米海軍第7艦隊の高官が同紙に明らかにした。米海軍がタイやインドネシアなどとも行っている恒例の訓練の一環だといい、駆逐艦1隻が来月ベトナムに向かい、捜索、救助訓練を行う。米海軍は今月末には、フィリピン海軍との合同演習も予定している。
これら演習について第7艦隊の広報担当者は同紙に「以前から予定されていたものだ」と話し、南シナ海をめぐる最近の関係各国の動きとの関連を否定した。
ベトナムの高速道路建設に円借款409億円
日本政府はベトナムの高速道路整備に対する総額409億4600万円の円借款供与を決め、14日、ハノイで谷﨑泰明駐ベトナム大使とベトナムのヴォー・ホン・フック計画投資相が書簡を交換した。ベトナム中部のダナン―クアンガイ間に片側2車線、全長約131・5キロ、南部のホーチミン―ゾーザイ間に片側2車線、全長約55キロの高速道路を建設する。
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